エモーショナルの向こう側

思いの丈をぶつけに来ます

今、全人類に忍ミュ第10弾を観てほしい理由

 

忍ミュ第10弾がヤバい。

"忍ミュ"とは、『忍たま乱太郎』のミュージカルだ。


私が忍ミュを初めて観たのは第4弾初演。
それから今まで毎年観劇を続けており、つい先日、第10弾を観に行ったのだが、これが!もう!はちゃめちゃに面白かった!!!!
忍たまが好きで、忍ミュが好きで良かった……という気持ちになったし、今まで忍たまや忍ミュにあまり触れたことがない人も是非観てほしいと思ったので、勝手にプレゼンしたいと思う。

 

忍たま乱太郎』を知らない人はいないだろうが、忍ミュを知っている人はごく一部かもしれない。
忍たまのミュージカル」というと、子ども向けの着ぐるみショーを思い浮かべるかも人もいるかもしれないが、それともまた違う。

忍ミュは、大きなおともだち向けの、いわゆる"2.5次元ミュージカル"だ。
メインは6年生をはじめとした上級生たちで、歌ありギャグあり殺陣ありのオリジナルストーリーが展開される。
2010年の第一弾初演から、毎年冬ごろに初演、夏ごろに再演というペースで今日まで10年間毎年欠かさず上演が続いてきた。
そして、2019年5月、ついに第10弾初演の幕が上がった。

 

 

第10弾のおすすめポイント①
「ストーリーがわかりやすく、面白い」

忍ミュは、一話完結のミュージカルオリジナルストーリーだ。
だから前作を観てなくても、忍たまをよく知らなくても全く問題ない。

今回の忍ミュ第10弾のあらすじを簡潔に説明すると、「忍術学園の大運動会に、学園長の命を狙う暗殺者が紛れ込む話」である。

今までの忍ミュだと、新たな登場人物が敵か味方かわからなかったり、敵の本当の思惑がわからなかったりするまま話が進んでいくことが多かった。
その点、今回の忍ミュでは、全員の目的が最初からはっきりしている。

運動会で一番になりたい忍たまたち。
運動会の混乱に乗じて忍術学園の乗っ取りを狙うドクタケ忍者たち。
そして、運動会の混乱に乗じて学園長の命を狙う暗殺者たち。

ドクタケ忍者たちの目的がややぼんやりしているようにも思えるが、彼らは今回完全にギャグパートなので、ストーリーに支障はない。

だから、登場人物も場面転換も多いのだが、「あれ?今これ何の話だっけ?」と迷子になることなく、ずっと集中して観ることができるのだ。

しかも、話がめちゃめちゃ面白い。
運動会の競技の様子も面白いし、暗殺者との攻防戦も面白い。
さらに実際に舞台上で行われる競技によって得点が決まる場面もあるので、どうやら日によって総合点や優勝チームが違うらしい。

 

 

第10弾のおすすめポイント②
「ギャグとシリアス、歌と殺陣のバランスがいい」

今までの忍ミュはギャグもありつつ、ややシリアスの割合が高い印象だったが、それと比べると今回はかなりギャグが多い。
そもそものベースが「忍術学園の大運動会」である。この時点で基本は気楽に楽しめるエンタメなのだ。
しかも、前述の通り全員の目的がはっきりしているので、ギャグパートでも話が脱線することなく、素直に楽しく観ることができる。

一方、ストーリーの軸となるのは「学園長の命を狙う暗殺者が紛れ込む」ことだ。
敵役がへっぽこおとぼけ忍者であることも多い忍たまだが、今回の敵役はガチで"デキる"暗殺者たちである。
彼らが出てくると、話が一気に引き締まる。
しかし、やはり基本はエンタメなので、シリアスに傾きすぎることはない。


また、運動会の中では仲間との絆も描かれる。
同級生同士の絆、先輩後輩の絆など、思わずほろりとしてしまうような場面もある。


この全体のバランスが絶妙すぎた。
個人的には、原作やアニメのバランスにかなり近いと感じた。


また、ミュージカルなのであらゆる場面で突然歌ったり踊ったりし始める。
ストーリーの中のどの部分を歌で、どの部分をダンスで表現するかのバランスも良かった。
ミュージカルだと時折とても大切な台詞が歌にのせられているせいで聞き取れなくてストーリーがわからなくなってしまう悲しい事故が起こるが、そんなことも一切なく、しかも曲も全てとても好みで嬉しかった。

さらに、忍ミュは殺陣(バトルシーン)があるのだが、この殺陣も長すぎず短すぎず、全員に見せ場があって、このバランスもたいへん良いと感じた。

ちなみに忍たま達には皆それぞれ得意の武器がある。
刀での殺陣だけでなく、槍や苦無(クナイ)、縄錘(じょうひょう、縄の先に重りがついた武器)や、フンドシなどでのアクロバットな殺陣は観ていてとても面白い。
これも忍ミュならではの楽しみだ。

余談だが、忍ミュにはJAE(ジャパンアクションエンタープライズ)所属の方も毎回たくさん出演されている。特撮などで活躍する、アクション・スタントのプロフェッショナルだ。
だから山田先生やドクタケ忍者達の殺陣は本当にすごい。めちゃめちゃかっこいい。一見の価値ありだと思う。

 

 

第10弾のおすすめポイント③
「最後はめでたしバンバンザイ」

これは第10弾のというか忍ミュ全てのおすすめポイントなのだが、最後は必ずハッピーエンドである。

どんなにシリアスな展開であろうが、必ず「今日も色々あったけど 最後はめでたしバンバンザイ♪」と歌って踊って終わるのだ。
だから安心感がすごい。これぞエンタメだと思う。

 


第10弾のおすすめポイント④
「俳優さんが良い意味ではじけている」

歌って踊るミュージカルには、一糸乱れぬダンスやハーモニーを売りにしているミュージカルも多いと思うが、忍ミュはどちらかというと同じ振付でもキャラによる個性が重んじられており、その差異を楽しむタイプだ。

だからそれぞれがそれぞれに「そのキャラらしい動き」をしていて面白い。

また個人的には2.5次元舞台をはじめとしたメディアミックスの楽しみは他者の解釈に触れられることだと思うので、「あ~、この人にとってのこのキャラはこういう感じなんだな」とか「それわかる」となるのがめちゃめちゃ楽しい。

そして実は一番の見所は先生・ドクタケ・敵忍者のはじけっぷりかもしれない。
ベテランの役者さん達のアドリブやギャグは、原作のイメージや舞台の雰囲気を壊さないギリギリのところを攻めながら、若手にもやりやすい空気を作っているように思える。
何より本人が楽しみながらやっているのが伝わってきて、観ていてとても楽しい。

というわけで、衣装やメイクで見た目は最初から完全にキャラなのだが、そのキャラをどう表現するかはかなり役者の手に委ねられているので、役者さんのファンの人が観ても面白いと思う。

 

 

本当はもっといろいろあるような気がするが、結局上手くまとめられなかった。

とにかく忍ミュは最高だから、観てほしい……。
東京の平日公演や、大阪公演、名古屋公演ならまだチケットあるようなので観てほしい……。
今まで忍たまや忍ミュ、2.5次元ミュージカルを観たことがない人も楽しめるのではないかと思う……。
また、過去に忍ミュを観たことがあって「なんか違うな」と思った人にこそ観てほしい気もする。

 

決して安くはないので機会があれば……機会があればでいいので…………どうかよろしくお願いいたします……。