エモーショナルの向こう側

思いの丈をぶつけに来ます

エモーショナルの向こう側~なぜ今、ha|za|maやダブルチャカに数万円出すのか~

(※ダブルチャカ福袋ネタバレあります)


2017年、もしかしたら一番大きな出来事はha|za|maとダブルチャカに出会ったことかもしれない。
と思ったので、勝手に語ります。
私と、ときめくお洋服の話。

 

昔、私はKERAっ子だった。
セクポ、セクダイ、ピースナウ…
高校生だった私は誌面を見て心踊らせ、やがてフリマサイトを知り、できるだけ安い古着を漁った。
近所のショッピングモールに奇跡的にアルゴンキンを扱う店ができて、初めてそこで服を買ってもらったときは本当に嬉しかった。
一着数万円が当たり前のそれらのブランドで全身を固めることが憧れで、夢だった。でも、結局それは叶わない夢で、実際は似たような雰囲気の服を必死で探してなんとか組み合わせてゴスパンクもどきな格好をしていた。
それでも自分の好きな服装ができていたと思うし、そんな服装で一緒に出掛けられる友人にも恵まれて、とても幸せだった。


月日は流れ、私は大学生になり、社会人になった。
その間に服の好みがかわり、ゴスロリ・パンクブランドは見るのは好きだが「自分が着る服」ではなくなっていた。


社会人一年目は、とにかく無難な、「仕事に着ていける服」ばかり買っていた。
何しろそれまでがアシンメトリーのカットソーや、バンドTシャツ、極端に短くてひらひらしたスカート、左右違う色のタイツみたいなふざけた服しか持ってなかったので、単純にまともなオフィス・カジュアルがなかったのだ。


そして社会人二年目。
今度は逆に「遊びにしか来ていけないようなふざけた可愛い服」が欲しくて仕方なくなった。
自分の欲望に正直に、自分のためだけの、ときめきのある服がほしい。

そんなときに出会ったのがha|za|maだ。
大人セーラーと経年真価のパーカーに心を奪われた。
それまでわりと身体にぴったりした格好が好きだった自分にとって、ルーズなシルエットのha|za|maは未知の領域だったが、ときめきに勝てなかった。

一着数万円。あるいは、それ以上。
学生の自分には決して出せなかった金額。
今の自分にとっても決して安くはないお値段。
でも、買える。
思いきって購入ボタンを押した。
展示会には行けなかったから試着なしでのネット注文。
かなりのギャンブルだけど、誘惑に勝てなかった。いや、ときめきに正直になりたかった。
(余談だが、Twitterで「どんな生地か触りたい」みたいなことを呟いたら、デザイナーのまついさんがエゴサしてリプライで詳細を教えてくださったことも大きかった。その節はありがとうございました)

そうして届いた大人セーラー黒と、見知らぬ街のセーラースカートと、経年真価のパーカー。
初めて袖を通したときは本当にわくわくした。
鏡の前で何度も確かめて、手持ちの服に合わせてみたり、髪型を変えてみたり、しばらく一人だけのファッションショーを楽しんだ。
柔らかな大人セーラー、柄がもうたまらない見知らぬ街スカート、フードの形がツボすぎる経年真価パーカー。
想像してたよりも数百倍可愛くて、数億倍の満足感があった。
休みの日は積極的に身に纏って出掛けた。
むしろ、それを着るための予定を入れるくらいの勢いだった。
買うときはあんなに気にした値段も、身につけているときはまったく気にせずに、完全に「自分のもの」として好きなものを好きなように身に纏っていた。

普段の系統とは少し違ったから合わせる化粧や小物に迷ったりもしたけど、むしろこの服に「似合う」人になりたいと思った。

この流れだと、Kento Hashiguchiのカバンの話もした方がいいかもしれない。
ha|za|maきっかけで繋がったTwitterのフォロワーさんのRTでKento Hashiguchiのカバンを知り、絶対ha|za|maに似合うと思って展示会に行った。
ha|za|maの服に合わせる前提で、カバンを注文した。めちゃめちゃ可愛いがま口ショルダー。
今はまだ届くのを待っている段階だが、もう今から楽しみで仕方ない。
だって、好きなもので全身を固めて「理想の自分」になるのは昔からの夢だったから。

 

そしてつい最近、私はダブルチャカに出会った。
細身ワンピースブランドで、もうシルエットがはちゃめちゃに可愛い。
これも出会いはTwitterだったが、一目惚れだった。

でも、やっぱりここでも立ち塞がるのは値段の壁だ。
一着数万円。買えなくはないけど、かなりの勇気が必要。
しかも一着だけなんて選べないくらいあれもこれも欲しいし、でも私の身体はひとつしかないし…。
そんな私の背中を押してくれたのは、福袋だった。
一着分の値段で、ワンピース二点と小物類が手に入る。
今度は迷う必要はなかった。福袋を買って、それから次を考えればいい。

そして、12月頭の先行販売で買った福袋が、つい先日届いた。
Sサイズの5点セット。入っていたのは、あの子のワンピース(サイドアップ)と、スワンワンピースだった。
これも届いた瞬間もうとんでもなく興奮した。広げただけでときめきが止まらない。
まずはあの子のワンピースに袖を通す。着れなかったらどうしようかと思ったが、大丈夫だった。
だが、鏡を見て呆然とする…………私、パフスリーブ似合わない…。
裾はたっぷりひらひらで最高に可愛いのに、袖が…似合わない……こんな悲しいことがあるのか…上着を着ればなんとかなるか…?
ちょっぴり落ち込んだが、そんな気持ちは次のスワンワンピースで吹っ飛んだ。
これは、ヤバい。もう身体に合いすぎてて着心地もシルエットも最高すぎる。ちょっとフォーマルなパーティーにも行けちゃいそうな雰囲気だ。
でも、もし出来るならこのスワンワンピースに赤いルージュとヒールを合わせてうんとお洒落してディナーとか行きたい。
そんな妄想が瞬時に広がるくらい素敵だった。

私、この服に似合うようになりたい。
また、そう思った。

そして、そう思えることはとても幸せなことだとも思った。

 

一着数万円の服なんて、過去の自分には考えられなかった。
しかもコートでもスーツでもない、普段着。

それを自分のお金で買える幸せ。
自分で、自分のときめく服を手に入れて、理想の自分になれる喜び。

服の系統は違っても、たぶんこの気持ちはゴスロリ・パンクに心を踊らせた高校生の頃と何ら変わりはない。
だから、私の今のこの幸せは、きっとあの雑誌を見ながら身悶えしたあの日々の上にあるのだと思う。

それに気がついたのは、ダブルチャカを立ち上げたハヤカワ五味さんのNote(https://note.mu/hayakawagomi/n/n16ba9e7bb56c)を読んだときだ。
憧れて通いつめたロリィタの聖地ラフォーレに自分のブランドの実店舗を出す…………なんてエモいんだ!と思うと同時に、「ああ、私のときめきは、あのときの私のときめきだ」と気がついた。

見てるか、あの頃の自分!

2018年はもっと自分のためにときめく服を買って、胸をときめかせながら袖を通して出かけるぞ!

以上!終了!