エモーショナルの向こう側

思いの丈をぶつけに来ます

『このレールはドラマチック』4号車から、愛を込めて


11月19日(日)
トレインライドシアター
「このレールはドラマチック」

『ノンストップガール』
電車内には、中本アカリと山下大輔というバカップル二人の声が響いていた。
同じ車内に居合わせた青年・小暮順平がカップルを注意するところから、物語は予期せぬ方向へ動き始める。
泣き出す山下を横目に、小暮はとある行動に出る…。

【4号車】
山下大輔役:山口貴也
中本アカリ役:水石亜飛夢
小暮順平役:鈴木勝大

 

本物の電車の中での演劇!
なんだか面白そうな企画だな〜と思っていたら鈴木勝大さんの出演が発表されたので、迷わずチケット取って観に行った。
倍率高そうだなと思って13:00公演と16:00公演に申し込んだら両方チケット取れたんだけど、電車内で席が違うと見え方変わりそうだから両方行った。


集合場所はチケット購入者のみにメールでお知らせ。
公演の情報やレポートは全公演が終わる11月23日20:00まで公開しないこと。

もうこのお知らせの時点でわくわくする。


というわけで、ここからは観劇直後に書き留めたリアルタイムな感想覚え書き。


◯13:00公演

集合場所は品川駅の改札前。
受付でリストバンドを受け取り、改札を通って3番ホームへ。
貸切電車に乗り込むと、ロングシートの一席ずつに座席番号が表示されていたので指定された席に着く。


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車内広告が全部「このレールはドラマチック」のこと以外は、普通の電車と何も変わらない。
待っている間にも向かいのホームには通常の電車が入ってきては出ていく。
これからここで演劇をやる、それを観るというのが何だか不思議だ。

開演時刻が近づいてくるが、車内には空席が残っている。
たまたま客がいない席なのか? それとも役者さんがそこに座る?


どうやってが俳優さんたちが現れるのかがわからなくて、ドキドキしながら待っていると、電車が動き出した。
なるほど、演者はこの先の駅で乗り込んで来るらしい。


発揮して間もなく、今回の脚本演出である岩崎う大さん(かもめんたる)のアナウンスが流れる。

「本日はご乗車ありがとうございます。車掌兼DJの岩崎う大です。電車はこの先、京急蒲田駅まで参ります。皆さん、それまで景色を眺めるもよし、写真を撮るもよし、本を読むもよし、電車をお楽しみください」

普段、電車に乗ってるときは、あまり意識して景色を見ることはない。
でも今日はなんだか車窓から見える青空が新鮮で、私はずっと景色を眺めていた。


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岩崎う大さんは、軽妙な語り口で子供の頃の電車の思い出などを披露する。


「皆さんもそういう子供の頃の思い出ありますか。電車はタイムマシンみたいなもので、いろいろなことを思い出します」

「電車というのは不思議なもので、いろいろな人が乗っています。恋人同士で乗る人もいれば、嫌いな人と乗っていることもあります」

「間もなく京急蒲田駅に到着すると、電車が覚えている景色が蘇ります。皆様それまで日常と馴染ませながらお待ちください」


細かいところ忘れちゃったけど、だいたいこんな感じ。
そうこうしているうちに、電車が京急蒲田駅のホームに滑り込む。

駅のホームでは、仲良さげなカップルが電車を待っている。
山下大輔(山口貴也)と中本アカリ役(水石亜飛夢)だ。

ドアが開き、乗り込んで来る二人。
発車のベルが鳴り響く中、ドアが閉まる寸前に小暮順平(鈴木勝大)が駆け込む。


ここから先は、駅のホームに停車した電車の中でお芝居が始まる。
しかし音響効果でドアの音や電車の走行音が入り、まるで走行中の電車の中のような雰囲気だ。
三人は、吊り革を掴み、電車の揺れに合わせてバランスをとる(演技をする)。


お芝居の中身は、エキセントリックなアカリと、そんな彼女にベタ惚れな山下が、常識人の小暮を巻き込むドタバタコメディ。
さらっと気軽に楽しめるお話だったが、電車の中で目の前に役者さんがいて、手を伸ばせば触れられそうな距離で演じているという状態がいい感じに非日常だった。


以下、感想箇条書き。
※座席は進行方向右側、中央やや前より座席

・勝大さん以外の出演者さんのこと全然知らなかったけど、アカリ役も男の人なのか!水石亜飛夢さん、すらっと背が高くて美しい!
・勝大さん、せせせせせ席に……座っ……!? 隣のお客さん動揺してる……そりゃそうだ…………
・そしてポケットから出した本を読み始める勝大さん……何読んでるかめちゃめちゃ気になる…………ブックカバーがかかっていて中身はわからない……
カップルの会話を気にする勝大さんの繊細な演技すきだ……勝大さんの台詞がないときの”受け“の演技が本当にすき……
・ずっと向こうの方でやり取りしてるなと思ってたらこっち来た!え?アカリちゃん(水石さん)の移動の仕方、めちゃめちゃ小悪魔かわいい……
・ふらふら追いかける彼氏の山口さん、顔が良いのに彼女にデレデレ……
・うわ!勝大さんもこっち来た!文庫本にしおり紐ついてる!新潮文庫か!?
・勝大さんの親指をこんな距離で眺めたことない……………
・ひそひそ会話でもちゃんと何話してるか聞こえるの、役者さんすごいな……事前のアナウンスで「お席によっては見えづらい、聞こえづらい場合がありますが、そこも含めてお楽しみください」って言われてたけど、少なくとも聞こえなくてわからないことは全然ない。
・山口さん土下座した!? そしてそれを連写するアカリちゃん!!!!!!スマホの画面見える位置だったけど本当に撮ってる!
・電車の床でのたうち回る人、初めて見た…………
・……と思ったら、山口さん、このあと何度も電車の床でのたうち回っていた。
・勝大さんのクソデカボイス!!!!!!最高!!!!!!
・去っていくアカリを見るときの山口さんの目が綺麗すぎる…………
・アカリさん、目の前に来た…………やや後ろからのアングルで、顎のラインが男の人でちょっとドキッとする。
・山口さんが目の前で勢いよく土下座してめちゃめちゃびっくりした…………
・終盤、アカリの「あなた意外と賢いのね」という台詞で、「そうなの、勝大さん賢いの」みたいな謎のファン目線になる。
NTR願望ある溺愛彼氏、気持ち悪くて最高だな。
・電車降り際に投げキッスするの小悪魔〜!
・最後、すっと頭下げた勝大さんに拍手できて大満足!

 

◯16:00公演
※座席は進行方向左側、さっきのちょうど向かいの席

・電車がホームに入るときに確認したら、エスカレーターのところにしゃがんで待機してる勝大さんの影が確認できた。半透明の仕切りだったから、シルエットがわかる。
・位置的には全体的に13:00公演のときの方が見やすかったかもしれない。でも、さっきと違う角度で観れて面白い。人の頭ごしに見る勝大さんが結構新鮮。
・勝大さん、なんか可愛い柄の靴下を履いてるな? 組んだ足首から見えてて気がついたけど、遠くて何の柄かまでは見えず……
・やっぱり勝大さんの持ってる本が何か気になるけどわからなかった……ブックカバーが蔦屋書店のやつなのはわかった……
・山口さんの眼鏡、レンズ抜いてある……演劇では反射防止でよくやることだけど、電車の中でもそのルールは有効なのか? それとも床をのたうち回るため?
・どちらにせよ、やっぱり山口さんの目が綺麗すぎる……表情豊かでうるうるキラキラ……
・アカリちゃんも表情豊かでとっても可愛いことを再確認。
・勝大さんの怪訝な顔だーいすき!
・山口さんが電車のドアに顔を押し付けて嗚咽したあと……窓が曇っている……?
・アカリちゃん、最後ちょっと台詞前後しちゃった?ような気がする。
・最後ひとり勝大さんだけ残る演出、やっぱりすきだな……全員降りていくよりずっと良い…………

 


私の感想はこんな感じ!
ストーリーについては良くも悪くもマジで言及することがなくて、役者さんに対する煩悩ばっかりになっちゃった!

勝大さんの読んでいた本と、靴下の柄についての情報をお持ちの方は是非コメントお寄せください…………よろしくお願いいたします…………


私の持っている情報は
(本について)
・蔦屋書店のブックカバー
・しおり紐付きだったので新潮文庫
・厚みは300ページ程度

(靴下について)
・水色と茶色と緑?
・生き物のイラストのようにも見えた?

です!!!!!!!!

 


演劇的なところで言うと、日常の空間を演劇空間にする試みがとっても面白い。
演者さんの声も、自然な会話のボリュームから、ありえんクソデカボイスまで生声で楽しめて良かったです。勝大さんの腹から出した声がすき……。


劇場じゃないところで観る演劇はやっぱり楽しいし、いろんな演劇作品に出演してくれる鈴木勝大さんがやっぱり大好きだな〜と思いました!


おわり!

 

〈2023/11/24 0:40追記〉

勝大さんが読んでいた本について、近くの席に座っていた方から「イリーナとマーシャという文字が見えたから『三人姉妹』ではないか」という情報が寄せられました。

新潮文庫からも出版されていて、252ページなので間違いなさそうです!

勝大さんらしい本のチョイスで嬉しい……勝大さんもいつかチェーホフやってほしいな〜!

 

チェーホフ神西清/訳 『桜の園・三人姉妹』 | 新潮社 https://www.shinchosha.co.jp/book/206501/